滝川市東町連合町内会

 滝川市東町連合町内会(1,508世帯)では、平成20・21年度の本運動の2年指定実践地区として、ひとり暮らしの高齢者が増加していることから、高齢者が孤立することなく安心して暮らすことができるよう、地域のネットワークづくりに取り組んでいます。
 1年目は、単位町内会役員によるたすけあいチームを結成し、高齢者世帯を月一回訪問し、「こんにちは、お変わりないですか?」といった気兼ねない話し相手となり、茶話会の開催などで親交を深めてきました。また、災害時のための情報収集など、緊急時の体制づくりにも取りかかりました。さらに、一般の方々を対象にネットワークづくりの講演会を実施することで、地域での「声かけ」や「たすけあい活動」が活発になってきました。
 2年目は、引き続き月一回の定期訪問による見守りを続ける中、高齢者の方々から個人情報を守りたいとの声があがってきました。対応を思案していたところ、小樽市の「安心カード」の取り組みを新聞記事で知り、東町連合町内会においても、この事例を参考にして「いのちのボトル」を高齢者等の300世帯に配付することにしました。「いのちのボトル」は100円ショップの容器を利用し、滝川市の花であるコスモスのシールを貼って、あたたかみが出るよう工夫しました。容器の中には、緊急時に必要な自分の情報を記入した用紙を入れ、冷蔵庫の中に保管してもらうことにしました。記入用紙には、氏名、住所、年齢、血液型をはじめ、かかりつけの病院名と連絡先や、主な病名、飲んでいる薬、緊急時にすぐ駆けつけることの出来る親族や親しい友人の連絡先が記入できるようになっています。「いのちのボトル」の存在は、たすけあいチーム役員のほか消防署にも伝えて、もしもの時に、いち早く個人の情報を入手し、迅速な対応が取れるように備えました。高齢者の方々の個人情報を守りながらの安心が、「いのちのボトル」とともに手渡されています。今後も「いのちのボトル」の活用と、町内のたすけあいの輪が広がることが期待されます。


▲たすけあいチームのミーティング
▲ピンクのコスモスをあしらった
「いのちのボトル」



帯広市共愛町内会

 帯広市共愛町内会(250世帯)では、平成21年度本運動の実践地区として、福祉部や婦人部が中心となり、様々なふれあい交流活動に取り組んでいます。
 昨年9月1日には、帯広市内在住の外国人を講師に招き、その国の郷土料理を通じて親睦を深め、外国の高齢者の暮らしを知るために「ボリビア料理教室」を開催しました。
 当日は40名の参加者を得て、ボリビアのチェリーさんを講師に、じゃがいも、たまねぎ、トマト、鶏肉をパンの生地で包みあげたボリビア料理「エンバナダ」などの料理を作りました。その後、出来上がった料理を食べながら、ボリビアの高齢者の暮らしぶりなどを聞きました。ボリビアの60歳以上の方は8.5%を占め、年金は月1万円、高齢者の医療費は無料で毎週パーティや高齢者サロンが開かれているそうです。ボリビア料理を囲みながら日本舞踊の披露も行い、和やかな雰囲気の中で交流を深めた一日となりました。

▲ パン生地で包んで揚げるエンパナーダ ▲ 講師を囲んで記念写真



釧路市新釧路町内会

 釧路市新釧路町内会(165世帯)では、平成21・22年度の本運動の実践地区として、町内会における高齢者、障がい者等の世帯調査を行い、災害時や防犯を考えたネットワークづくりに取組んでいます。
 近年、少子高齢化が叫ばれ、新釧路町内会も例外なく高齢化が進み、65歳以上の高齢者は121名、うちひとり暮らしは13名になります。災害時の対応や防火・防犯の面でも地域として不安を感じることから、平成21年度は町内の民生委員と協働して、保健福祉部が中心となって年3回の世帯調査を実施しました。
 世帯調査のための訪問は、外出の機会が少ない高齢者には大変喜ばれました。また、近くの会館で開催した婦人部の手料理による交流会への参加を呼びかけ、交流を深めることができました。今後も定期的な交流会を実施していく予定です。
 さらに、世帯調査を踏まえ、消防署の協力のもと、高齢者を対象とした初の避難訓練を実施したところ、高齢者23名の参加を得ることができました。
 その結果、避難に時間を要するなどの課題が明らかになり、日頃からの協力支援体制の必要性を確認することができ、次年度に向けた取り組みのテーマとなりました。

▲高齢者を対象に初の避難訓練
▲避難に要した時間が課題に